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2022.12.29

【福島県】五色沼湖沼群の神秘的な絶景スポットや紅葉の見頃などモデルコースも紹介

福島県の絶景スポット、五色沼をご紹介します!

磐梯山の北に広がる裏磐梯には、弁天沼・青沼・るり沼などの美しい湖沼群が点在しています。その水面はエメラルドグリーンやターコイズブルーに輝き、神秘的な色を垣間見せてくれます。

紅葉などおすすめの季節から、自然探勝路の歩き方、アクセスなどまでお伝えします。

※この記事は2022年12月20日時点での情報です。休業日や営業時間など掲載情報は変更の可能性があります。
記事配信:じゃらんニュース

五色沼とは

五色沼

五色沼は、福島県北部に位置する裏磐梯(うらばんだい)に点在する、大小30あまりの湖沼群のこと。正確には「五色沼湖沼群」といいます。

裏磐梯とは、“宝の山”と呼ばれる磐梯山(ばんだいさん)の北側に広がる高原エリアです。1888(明治21)年に磐梯山が噴火して北側斜面が崩れ、せき止められた川が数百の湖沼を生み出しました。五色沼湖沼群もその一部です。

五色沼

毘沙門沼・赤沼・みどろ沼・弁天沼・るり沼・青沼・柳沼など、多くの湖沼があり、だいたい1時間半で、すべての沼を歩いてめぐることができます。

五色沼という名前は、エメラルドグリーン、コバルトブルー、ターコイズブルー…など “さまざまな美しい色が見られる” ことから名付けられました。

るり沼

沼の色は、水質に含まれる鉄・マンガン・ケイ酸アルミニウムなどの火山性物質や、水中に生える植物・藻などによって生み出されると考えられています。天候など空の色や、時間帯、季節によっても変化します。

ここからは、五色沼の四季折々の魅力について詳しくご紹介します!

五色沼の春

五色沼

五色沼は標高800m付近に位置する寒冷な気候のため、4月~6月が春。例年4月中旬まで雪が残り、GWにかけて緑が一気に芽吹き始めます。

五色沼

上の写真は4月上旬の青沼の様子。4月には残雪があってもかたく締まっていて、普通のトレッキングシューズで歩けることがほとんどです。

早春は水が澄んでいて、他の季節よりも深く濃い色に見えるとも言われます。また青葉の繁っていないこの時期は小鳥を見つけやすいので、バードウォッチングにも最適です。

五色沼の夏

五色沼

五色沼の夏は7月~8月の2カ月。この時期、日中の気温は30度近くまで上がることもありますが、朝晩はとても涼しく、平均気温は20度ほどです。

特別なトレッキングの装備がなくても散策路を歩きやすいハイシーズンです。

夏の直射光は、沼の色をいっそう鮮やかに見せてくれます。青沼(上の写真)では、ターコイズブルーやパステルブルーといった、宝石のような色彩に出会えます。

最も大きい沼である毘沙門沼には手こぎのレンタルボートがあり、水辺に漕ぎ出すにもぴったりの季節です。

五色沼の秋

五色沼

五色沼の秋は9月~11月。例年10月中旬~11月上旬にはモミジ、カラマツ、ナナカマドなどが赤く色付き、紅葉の見ごろを迎えます。上の写真は10月20日前後の柳沼の様子です。

五色沼

10月の平均気温は約10度、11月は約5度と、札幌と同じか少し低いくらい。上は10月15日の毘沙門沼の様子で、すでに紅葉が始まっています。凜と澄んだ心地良い空気はこの時期ならではです。

秋は、トレッキングに準じた服装や靴での散策がおすすめです。

五色沼の冬

五色沼

五色沼の冬は、11月~3月の4カ月。12~2月の平均気温はマイナス1度~マイナス2度で、積雪量も多い気候です。

そんなウインターシーズンでも、天候にさえ恵まれれば五色沼の散策は可能。スノーシューを履いて、雪の上を歩くトレッキングが楽しめます。

五色沼

五色沼が初めての人やスノーシューが未経験の人は、冬期限定のガイドツアーを利用するのがおすすめ。標識や木道が隠れて道に迷ったりする危険もなく、ウェア・ブーツ・グローブなどをすべてレンタルできるので、手ぶらでも参加できます。

ウインタートレッキングに慣れている人なら、スノーシューだけをレンタルして自力で歩くこともできます。レンタルはこちらをご覧ください。

※ガイドツアーは天候などにより中止になる場合があります。また、個人で歩く場合は天候・状況には十分にご注意ください。

散策には「五色沼自然探勝路」を歩きましょう

(画像提供:裏磐梯観光協会)
(画像提供:裏磐梯観光協会

五色沼には、トレッキングコースである五色沼自然探勝路(ごしきぬましぜんたんしょうろ)が整備されています。

東側(五色沼入口)と、西側(裏磐梯高原駅)の2つの入口があり、どちらからも入ることができます。片道約3.6km、所要時間は約1時間20分で、アップダウンの少ない平坦なコースです。

どちらの入口付近にも複数の駐車場があり、無料で利用することができます。

五色沼自然探勝路

探勝路は自然のままの道です。スニーカーでも歩くことは可能ですが、ところどころぬかるんで滑りやすかったり、岩がゴツゴツしているところもあるので、トレッキングシューズがよいでしょう。

2つの入口の間には路線バスが走っていて(片道約7分)、往路か復路のどちらかはバスを利用すると便利。1時間に1本程度なので、先にバスで移動してから復路を歩く方が、バスの時刻を気にせずに歩けておすすめです。

路線バスの時刻表は、磐梯東都バスHPをご確認ください。

※五色沼は磐梯朝日国立公園内の特別保護区(特に厳重に景観を保護する地域)に指定されています。植生保護のため、コースの外には出ないようにしましょう。動植物や土石等の一切の採集も禁じられています。

五色沼の絶景をめぐるおすすめモデルコース

五色沼を歩くモデルコースを2つご紹介します。すべて歩き通すコースと、西側から弁天沼までを往復する短時間ハイライトコースです。

すべての湖沼を歩き通すコース

(所要時間片道1時間10分~1時間30分)
五色沼入口(バス停)
↓ 徒歩1分
裏磐梯ビジターセンター
↓ 徒歩5分
毘沙門沼
↓ 徒歩25分
赤沼
↓ 徒歩3分
みどろ沼
↓ 徒歩3分
竜沼
↓ 徒歩10分
弁天沼
↓ 徒歩10分
るり沼
↓ 徒歩3分
青沼
↓ 徒歩15分
柳沼
↓ 徒歩2分
裏磐梯高原駅(バス停)
 ※順序を逆にして歩いてもOK

柳沼~弁天沼往復コース

(所要時間往復約1時間)
裏磐梯高原駅(バス停)
↓ 徒歩すぐ
裏磐梯物産館
↓ 徒歩1分
柳沼
↓ 徒歩15分
青沼
↓ 徒歩3分
るり沼
↓ 徒歩10分
弁天沼
↓ 徒歩30分
裏磐梯高原駅(バス停)

モデルコース内の沼の見どころ

モデルコース内で見られる、それぞれの沼の特徴を見ていきましょう!

五色沼最大の沼「毘沙門沼」

毘沙門沼

もっとも東側に位置する毘沙門沼は五色沼最大の沼。湖底からは酸性の鉱泉が湧き出していて、湖面はしばしば深いグリーンに見えます。

周辺には「裏磐梯ビジターセンター」などの観光拠点や、土産物店、軽食やソフトクリームなどを販売する売店なども多くあり、スタート地点として賑わっています。

唯一、貸しボートにも乗ることができる沼です(30分700円、60分1300円)。この沼にはニシキゴイがたくさんいて、左側のお腹に赤いハートマークがある「ハートの鯉」を見つけると幸せが訪れるのだとか。

沼の周辺が赤く染まる「赤沼」

赤沼

赤沼は、水面の周りに生えるヨシなどの草木が鉄さび色に染まっていることが名前の由来です。沼の水に大量に含まれている水酸化鉄が付着し、酸化することで生まれる色なのだとか。

水質そのものは明るい鮮やかな緑色に見えることが多く、まるで宝石のヒスイのような色合い。静寂の中で神秘的に佇んでいます。

3つの色が存在する「みどろ沼」

みどろ沼

みどろ沼のみどろとは“深泥”のこと。この沼はpH4という酸性の強い水質で、湖底から複数の水質が湧き出しているのが特徴です。

日によっても変わりますが、探勝路側(手前側)の水は緑色に見え、奥側(北東側)は違う水質のためブルーに見えることも。鉄分の付着した植物は赤く、赤・青・緑の3色がある沼と言われます。

東側にはオヒルムシロという浮き草が繁り、西側ではフトヒルムシロが繁って、これらの植生も色に変化を与えています。

冬~早春にだけ出会える「竜沼」

竜沼(たつぬま)は探勝路から少し離れた位置にあり、その間に木々が茂っています。夏期には草木が生い茂ってほとんど見られませんが、冬期にはスノーシュートレッキングなどで見ることができます。

ターコイズブルーに輝く「弁天沼」

弁天沼

弁天沼は五色沼の中で2番目に大きい沼です。湖岸はほぼヨシの群落に覆われ近づくことはできませんが、コース沿いの木道(もくどう)に小さな展望台が設けられていて、見晴らしが利きます。

時間帯や天候によって、エメラルドのように深いグリーンから、青白いターコイズブルーにまで色が変化します。

ちなみにこの弁天沼と、下のるり沼、青沼は細い河川でつながっています。大もとは磐梯山の火口から湧き出す水で、酸性が強く、多量のカルシウムと硫酸イオンが含まれているため、とても青く見えるのだとか。

深い瑠璃色が美しい「るり沼」

るり沼

るり沼はその名の通り、紫みを帯びた濃い青色・瑠璃色に輝く沼です。

ほとんどの沼は水深10m程度かそれより浅いのですが、るり沼だけは最大深度が約19mあります。また湖底にはウカミカマゴケというコケがびっしりと生えているため、深い水深が複雑に色を吸収・反射し、神秘的な色合いを生み出しています。

るり沼は意外とスルーしてしまう人が多いので気を付けましょう。「るり沼」と書かれた看板のある場所からは少ししか見えませんが、道中を急ぐとつい素通りしてしまいがちです。

るり沼

看板が立っている場所が三叉路(T字路)になっているので、そこから岩がゴツゴツした道を少し入っていけば、上の写真のような木の展望所があるはず。

ここからの眺めが、るり沼の本領発揮です。沼の向こうには磐梯山がそびえ、北側の崩落した斜面が見えます。雄大な山と瑠璃色の対比は見事です。

木立の中に佇む神秘的な「青沼」

青沼

青沼も多量のカルシウムと硫酸イオンを含んだ水質で、湖底にもウカミカマゴケのマット(群落)があるために神秘的なコバルトブルーに見えます。

青沼は弁天沼やるり沼よりも小さめの沼で、周りを樹木に囲まれているために水面が波立ちにくいという特徴があります。きれいな写真が撮りやすいスポットです。

湖面に映る木々が美しい「柳沼」

柳沼

探勝路の西側の入口にあるのが柳沼。水面には周囲の木々が映り込み、新緑や紅葉の季節には見事な眺めを見せてくれます。水質はほぼ中性で、フナ、ウグイ、ワカサギなどが生息しています。

周辺には「裏磐梯物産館」などの土産店・レストランや、カフェ、リゾートホテルなどがたくさん建ち並んでいます。

裏磐梯物産館のすぐ裏手に、沼の西岸に近づける広い場所があり(上の写真)、探勝路を歩かなくても気軽に写真を撮ることができるフォトスポットになっています。

五色沼へのアクセス

五色沼へのアクセスは、東側の入口(最寄りバス停:五色沼入口)か、西側の入口(最寄りバス停:裏磐梯高原駅)のどちらかを目指しましょう。どちらの入口にも複数の駐車場があり、無料で利用できます。

2つのバス停は片道約7分の路線バスで結ばれています。情報拠点となる「裏磐梯ビジターセンター」や「五色沼入口観光プラザ(裏磐梯観光協会)」があるのは東側(五色沼入口)で、こちらから歩き始める人が比較的多いです。

短時間で3~4沼をピストンする場合は、西側(裏磐梯高原駅)から入りましょう。また、すべて歩き通す場合も、西側から歩いた方が若干ですが下りが多くなります。

東京方面から

【車】磐越道猪苗代磐梯高原ICよりR115、R459経由で約25分(都内より合計約3時間)
【電車】JR猪苗代駅より磐梯東都バス猪苗代・桧原線利用で「五色沼入口」または「裏磐梯高原駅」下車(都内より一部新幹線を利用し、合計約2時間半)

仙台方面から

【車】磐越道猪苗代磐梯高原ICよりR115、R459経由で約25分(仙台市内より合計約2時間)
【電車】JR猪苗代駅より磐梯東都バス猪苗代・桧原線利用で「五色沼入口」または「裏磐梯高原駅」下車(仙台市内より一部新幹線を利用し、合計約2時間)

新潟方面から

【車】磐越道猪苗代磐梯高原ICよりR115、R459経由で約25分(新潟市内より合計約2時間)
【電車】JR猪苗代駅より磐梯東都バス猪苗代・桧原線利用で「五色沼入口」または「裏磐梯高原駅」下車(新潟市内より合計約4時間)

(画像提供:(公社)福島県観光物産交流協会)
(画像提供:(公社)福島県観光物産交流協会)

ちなみに、福島県にはもう一つ五色沼があります(上の写真)。福島市の吾妻連峰にある火口湖で、観光地・浄土平(じょうどだいら)から登山をして見ることができる湖です。遠方からナビなどで五色沼を目指す場合は、混同しないよう気を付けましょう。

■五色沼湖沼群
[住所]福島県北塩原村桧原湯平山
「五色沼湖沼群」の詳細はこちら
「五色沼湖沼群」の口コミ・周辺情報はこちら
■五色沼入口観光プラザ(裏磐梯観光協会事務所)
[住所]福島県北塩原村桧原剣ヶ峯1093-1055
[営業時間]【3月~12月中旬】9時~17時(8月1日~20日頃は18時まで)【12月下旬~2月】9時~16時30分 ※変動の場合あり
[定休日]無休
[料金]入館無料
[駐車場]あり(無料)
「五色沼入口観光プラザ(裏磐梯観光協会事務所)」の詳細はこちら

(画像提供:裏磐梯観光協会)※写真下に特に記載のあるものを除く

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ミキティ山田  ミキティ山田

旬な話題を求めて、いろいろな場所を取材・撮影する調査員。分厚い牛乳瓶メガネに隠したキュートな眼差しでネタをゲッチュー。得意技は自転車をかついで階段を登ること。ただしメガネのせいでよく転びます。

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