立山黒部アルペンルートの春の魅力といえば「雪の大谷(ゆきのおおたに)」です。
2024年は、4月15日(月)~6月25日(火)に「2024立山黒部・雪の大谷フェスティバル」を開催。フェスティバルのメインイベントが、高さおよそ20mに迫る雪を除雪し、巨大な雪の壁の間を歩く「雪の大谷ウォーク」です。
大自然が織りなす春の絶景旅は、ゴールデンウィークにもおすすめ!イベントの魅力からアクセス方法、個人でのきっぷの手配方法、さらにおすすめの服装まで紹介します。
(画像提供:立山黒部アルペンルート)
「雪の大谷」とは?
立山黒部アルペンルート内に出現!巨大な雪壁
富山と長野を結ぶ山岳観光ルート「立山黒部アルペンルート」。
総延長37.2kmのルート内では、日本最大級の黒部ダムをはじめ、様々な表情を見せてくれるダイナミックな山岳の絶景が楽しめます。国内外からも多くの観光客が訪れる観光名所の一つです。
このルートの中で、最高地点となる標高2450mに位置する立山室堂(むろどう)平。この辺りは世界でも有数の豪雪地帯で、積雪が深さ20mに迫ることも。この室堂付近にある「大谷」に、バスが通行するために除雪してできた巨大な雪の壁が「雪の大谷(読み方:ゆきのおおたに)」です。立山黒部アルペンルートの春の風物詩として、多くの人が訪れています。
巨大な雪の壁はどうやってつくられるの?
雪の大谷は、除雪した雪を積み上げてできた壁だと思っている人もいるかもしれませんが、実は積もった雪を削って作られたものなのです。
工程としては、(1)専用のブルドーザーで、道路のセンターライン位置に道筋をつけます。(これをパイロット除雪と呼びます。)(2)大型ブルドーザーを2台並走させ、雪面をカンナで剥ぎ取るように掘り下げていきます。
通常の除雪作業では、除雪車が雪を掻き込んで積み上げますが、雪の大谷では壁が高すぎて、雪を吹き上げることができません。そのため、大型のブルドーザーを使用します。出来上がった壁の高さは自然の雪の深さのままで、年によって高さが異なるのはこうした理由からなのです。
一度除雪が完了した後でも、一晩に1~2mの新雪が積もることもあり、4月の開通日以降、5月に入っても除雪作業は続けられています。
巨大な雪の壁の間を歩く「雪の大谷ウォーク」
今年も立山室堂平・立山有料道路と大観峰(だいかんぼう)を会場に、「2024立山黒部・雪の大谷フェスティバル」を開催。メインイベントの「雪の大谷ウォーク」をはじめ、さまざまなイベントが実施されます。
2024年の開催日は4月15日(月)~6月25日(火)です。
「雪の大谷ウォーク」は2024年で開催30周年を迎えるイベント。室堂ターミナル駐車場のエントランスゾーンから出発し、およそ500mの区間を往復35分ほどで歩くことができます。高さおよそ20mもの巨大な雪の壁は圧巻の迫力!
そのほか、雪の大谷ウォーキングゾーンに並行するように、もう一つのルート「延伸!パノラマロード」が2024年5月6日(月)までの期間限定で登場。こちらは雪上の遊歩道で、雪の立山連峰を一望できます。今年は室堂ターミナルまで延伸し、より絶景を楽しめるようになっています。
さらに、恒例となっている除雪車「熊太郎」の展示や、雪の壁をスコップで掘り進める「くずそうユキカベ!作ろう!新しいミチ!」、雪壁の断面から調べた降雪日などを展示する「雪のカレンダー」、リラックスチェアにもたれて寛げる「立山ユキテラス」(有料、ゴールデンウィーク限定)なども開催。
色々な楽しみ方で、春の室堂平を満喫してみてはいかがでしょうか。
「雪の大谷」への行き方は?バスツアーじゃなくても行ける?
きっぷを自分で買って個人手配でも行ける!
立山黒部アルペンルートは、「立山駅」~「扇沢」間のルートです。バスツアー以外でも個人でチケットを購入し、ケーブルカー、ロープウェイなどを乗り継いで、室堂と大観峰の会場まで行くことが可能です。様々な乗り物を乗り継ぎ、次々と変わっていく車窓からの絶景に、乗り物好きならずともワクワクするでしょう。
「2024立山黒部・雪の大谷フェスティバル」は入場無料ですが、会場の「室堂」までの乗車券が必要です。
個人で手配する際、アルペンルートのきっぷは「立山駅」か「扇沢駅」で当日券を購入します。ただし当日券の場合は、混雑時は待ち時間が出ることがあるため、「立山駅」もしくは「扇沢駅」の乗車予約が事前にできる「立山黒部アルペンルートWEBきっぷ」がおすすめ。クレジットカード決済のみで対応しています。
立山黒部アルペンルート WEBきっぷの詳細はこちら
※購入には会員登録が必要
富山県側からの行き方
上記の乗り物利用で、電鉄富山駅から大観峰まで約2時間の道のりです。 ※乗り継ぎ時間は含まず
運賃は、電鉄富山駅から大観峰駅まで大人片道7520円、往復なら割引があり1万3800円です。
車で行く場合は立山駅に駐車できます。駐車台数は900台です(無料)。
長野県側からの行き方
上記の乗り物利用で、長野駅から室堂まで約2時間40分の道のりです。 ※乗り継ぎ時間は含まず
運賃は、長野駅から室堂駅まで片道9950円(大人)ですが、こちらも往復だと割引があり1万8500円です。
車で行く場合は扇沢駅に駐車ができます。駐車場は無料が230台、有料が350台(12時間1000円~)あります。
おすすめの服装は?
季節は初夏でも真冬並みの服装がおすすめ!
イベントが開催される4月~6月頃、室堂平周辺はまだ雪に覆われています。雪上を歩くパノラマロードや室堂高原では防水性のトレッキングシューズや長靴など、底が滑りにくいシューズが必要です。スタイルは、雪が靴の中に入りにくいハイカットがおすすめ。
気温は0度~11度ほどと低いので、暖かい服装にしましょう。ただし歩いていると暑くなってくるので、着脱しやすい服装が便利です。
持っていきたい便利グッズ
防寒対策として、手袋、カイロ、マフラー、ウールの帽子、ネックウォーマーがあるとベター。さらに春は紫外線が強く、特に雪面は紫外線のおよそ80%を反射し、日常生活の2倍もの紫外線を受けることになると言われているので、サングラスと日焼け止めがあると安心です。
立山黒部アルペンルートも観光しよう!
立山黒部アルペンルートには、「雪の大谷」以外にも見どころが目白押し!せっかく行くなら見ておきたいおすすめスポットを紹介します。
みくりが池と立山
室堂駅から10分ほど歩いていくと現れる美しい「みくりが池」。4~5月まではすっぽり雪に覆われており、6月頃にエメラルドグリーンの湖面が顔を出し始めます。
背後にそびえるのが立山です。実は立山という名の山頂は存在せず、「雄山」「大汝山」「富士ノ折立」など、3000m級の山々を総称して立山と呼ばれています。
今年は6月1日(土)~6月25日(火)の期間、「みくりが池温泉」で限定カードが配布されるので記念に持ち帰りましょう。
室堂平
標高2450mに位置する、立山黒部アルペンルートの中心地。3000m級の山々に囲まれた一面の白銀の世界が多くの人を魅了します。6月まで雪に覆われていますが、運が良ければ国指定特別天然記念物の雷鳥に出会えるかもしれません。
大観峰
支柱が1本もないロープウェイとしては、日本一長いと言われる「立山ロープウェイ」の山頂駅です。 ※立山黒部観光株式会社調べ
「2024立山黒部・雪の大谷フェスティバル」の大観峰会場として、巨大なかまくら「雪のポケット」(4月中旬~5月上旬)や、雪をアーチ状に除雪して作られた「雪のトンネル」(5月中旬~6月中旬)が見られます。
黒部ダム
堰堤(えんてい)の高さが186m、長さは492mの国内最大級のスケールのダム。
黒部ダム駅から、黒部ダムを見るルートは2つあります。一つは階段を60段下りて、ダムの堰堤に出て眺めるルート。もう一つは220段の階段を上り、最も高い位置から黒部ダムを一望できる展望台から見るルートです。
雪の大谷イベント開催期間後になりますが、黒部ダムで一度は見たいのが観光放水。毎秒10t以上の水が放水され、その迫力は圧巻です。
[観光放水の実施期間]2024年6月26日(水)~10月15日(火)
[黒部ダムの問い合わせ先]電話0261-22-0804(くろよん総合予約センター)
まとめ
世界的にも有数の豪雪地帯と言われる立山黒部。初夏の青空に映える真っ白な雪景色は一度は見ておきたい絶景です。高原バスやケーブルカーなど、様々な乗り物で絶景の合間を縫うように移動するのも旅の楽しみの一つ。
全国から観光客が訪れるスポットですが、早めにきっぷを予約しておけば、個人で行くこともハードルは高くありません。大自然が織りなす季節の大パノラマに会いに出かけませんか?
※この記事は2024年3月13日時点での情報です。
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じゃらん編集部
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